[恐竜王国中里]
中里バーチャル博物館
インゲニア頭骨の回転アニメーション

[インゲニア 頭骨] [インゲニア 肩帯] [サウロルニトイデス 頭骨]
[ヴェロキラプトル 頭骨] [ホマロケファレ 頭骨] [モノニクス 前腕]

 神流町恐竜センターが所蔵する化石コレクションの一部をQTVRで紹介します。当センターで実物を見るのとはまたちがった見方をお楽しみください。


QTVR(QuickTime VR)ってなに?
 
 QTVR(クイックタイム・バーチャルリアリティーまたはクイックタイム・ブイアール)はアップルコンピューター社が開発した技術です。私たちは、何か物を手に持っている時、それを手の中で回したりひっくり返したりしていろいろな角度から見ることができます。たとえば、リンゴを持っていれば、リンゴを手の中で回して上からや横から、下からと360度自由に見ることができます。でも、貴重なものや遠くにある物は実際に手に取るわけにはいきません。そんな時にこのQTVRが力を発揮します。当センターの化石を実際に手に持っている時と同じような感覚で、デジタル画像をマウスを操作して見ることができるのです。
 なお、QTVRに関するより詳細な情報を知りたい方は、アップルコンピューター社の QuickTime ホームページ をご覧ください。

中里バーチャル博物館とQTVR
 
 このオンライン・バーチャル博物館では、見たい物をいろいろな方向から眺めることができます。現実の博物館でも、展示品の周囲を歩き回れば似たような見方ができるかもしれませんが、大きな展示物の高い所に展示されている物(例えば頭骨や椎骨(ついこつ)など)を真上から眺めることは難しいでしょう。また、ほとんどの化石は他の化石と関節でつながっており、関節面は隠されていて見ることができません。なによりも、展示物の周りを360度ぐるりと巡ることができない陳列のされ方が現実には多いのです。

  QTVRは、こんな不満を解消してくれます。展示物の中から化石の大事な部分だけを取り出してきてカメラの前に置くので、関節面も明瞭に見ることが可能です。歯や爪のような小さな化石はアップで撮影するので、見る側は細部まで見られます。

 また、QTVRは研究者にとっても有用かもしれません。このバーチャル博物館を訪れて、見たい化石のQTVRを見ることで、自分たちの研究にその化石が本当に必要か、事前に判断したり、場合によっては本物の化石の代わりにQTVRを見るだけですんでしまうかもしれません。それができれば、壊れやすい化石の不必要な貸し借りが避けられて、化石を傷める危険を減らすことにつながるのです。

こんな画像が見られます
 
 1997年の12月末まで中里村(当時)で開催されていた「第二期モンゴル恐竜化石特別展」の中で展示されていた12点の恐竜化石から、ちょっと面白そうなものをピックアップしてQTVRオブジェクトムービーを作ってみました。

ファイルサイズ
(320 x 240 pixels)
インゲニア・ヤンシニ 頭骨 330 KB
インゲニア・ヤンシニ 肩帯 248 KB
サウロルニトイデス・ジュニオール 頭骨 227 KB
ヴェロキラプトル・モンゴリエンシス 頭骨 240 KB
ホマロケファレ・カラトケルコス 頭骨 758 KB
モノニクス・オレクラヌス 前腕 176 KB

・ 【インゲニア・ヤンシニ 頭骨】
 インゲニアは獣脚類というグループの中のマニラプトル類とよばれる小グループに属します。上のリストの中の、ヴェロキラプトルとサウロルニトイデスも同じくマニラプトル類ですが、インゲニアの頭骨は、これら2つの獣脚類のものとはびっくりするほど違う形をしています(たとえば;インゲニアの下顎には大きな穴が開いている/鼻面が短く、縦に長い/頭頂部の幅は狭く、2つの穴〜上側頭窓といいます〜は細長い/外鼻孔が高い位置に開口している、など)。これらの中には、歯が無いオウムのようなくちばしを持つ、といった、トリとの近縁性を想わせるような特徴も含まれます。同じオヴィラプトル科恐竜である、オヴィラプトル・フィロセラトプスや、リンチェニア・モンゴリエンシスに存在する大きなとさかが見られない、といった点もインゲニアの特徴です。

・ 【インゲニア・ヤンシニ 肩帯】
 トリとの近縁性を想わせる特徴は、頭骨以外にも見ることができます。このQTVRの中の標本はインゲニアの”肩まわり”(肩帯といいます)ですが、トリに特徴的な骨である”叉骨”(中央のブーメラン型をした骨;現生の鳥類に比べて頑丈で伸縮性のないつくりになっている)や、走鳥類などの飛べないトリに見られるような、平板な胸骨を見ることができます。

・ 【サウロルニトイデス・ジュニオール 頭骨】
 今日までサウロルニトイデスの頭骨は2点しか見つかっていません。ここの標本は下顎の後ろ半分が欠けていますが、ほとんどの骨がそろっている大変貴重なものです。側頭部には深い窪みが見えます。これは中耳と関連する構造で、サウロルニトイデスを含むごく一部の恐竜にしか見られない特徴です。

・ 【ヴェロキラプトル・モンゴリエンシス 頭骨】
 ヴェロキラプトルの頭骨はご覧のように小さく、細長いものです。眼窩(がんか)はとても大きく(ご覧の頭骨の側面にはいくつも穴が開いていますが、比較的後方にある最も大きな開口部が眼窩です)、上下の顎には後方に反り返った、縁にぎざぎざ(これは小さすぎてご覧の画面では確認できませんが)のついた多くの歯を見ることができます。この恐竜とサウロルニトイデスの眼窩は前方に向いていたので、恐らく両方の目で立体視ができただろうと考えられています。これらの頭骨をぐるぐる回してみて、実際に左右の目が前方を向いている様子を確かめてみてください。

・ 【ホマロケファレ・カラトケルコス 頭骨】
 分厚く、丸く盛り上がった頭蓋ドームを持つパキケファロサウルス類とは対照的に、ホマロケファレの頭は、平らなテーブル状になっており、おそらくメスをめぐっての同種内の争いの際に、平らな面同士をぶつけあっていたものと想像されています。この頭骨をぐるっと回して、その平らな頭頂部を眺めてみて下さい(なかなかこの角度から見る機会は少ないと思います)。2つの穴(上側頭窓)が見えます。パキケファロサウルス類にもこのような穴はあるにはあるのですが、分厚い頭蓋ドームに覆われて見えなくなっているケースがあります。頭を上から見た後ろの縁には骨の小さなコブが並んで、飾りの付いた棚を形作っています。また、上顎に小さな歯がいくつも残っているのに気づかれると思います。上のヴェロキラプトルやサウロルニトイデスといった肉食恐竜のものと比べると、この草食恐竜の歯は全く異なった形であることが一目で分かると思います。

・ 【モノニクス・オレクラヌス 前腕】
 モノニクスの頑丈な前腕には、種名の由来となった肘の突起(尺骨の上部)があり、このQTVRでも容易に確認できます。その他の注目点としては、唯一のツメと、上腕、および下腕の3者がそれぞれほぼ同じ長さであること/唯一のツメ以外に指が存在する形跡が見あたらないこと/手首の骨が癒合していること、などが挙げられます。是非ご自分で確かめてみて下さい。特に最後の特徴は現生の鳥類にも見られる特徴です。
このQTVRをご覧になって、この恐竜の前腕は一体どんな目的に使われていたと想像されるでしょうか?そのシャベルの様な形状は、現生のキンモグラのような、地面を掘る動物を想い起こさせるかもしれません。

 

 これらの恐竜のもっとくわしいことを知りたい方は、恐竜の名前をクリックしてください。

 ここで使用した標本は全部レプリカ(本物の化石の複製)ですが、とても精巧にできているので、QTVRで見た場合、本物と見分けがつかないと思います。

 ここにあるQTVRには複数の回転軸があるので、画像を水平・垂直両方向に回転させることができます。画像の回転は、マウスでドラッグすることで行います。

〜どうも思ったように動かない、という場合〜
 画面の端から端までマウスを動かし続けてはいけません。いつのまにか水平方向の回転のつもりが垂直方向の動作に移行してしまいます。画像が地球儀上に貼り付けられている、という風に想像して下さい。そしてその仮想地球儀を少しずつ手でずらしながら回す、というイメージでやってみてください。

〜具体的なずらし方のコツとしては・・・・〜
 水平方向に動かしたい時は、画像の下半分の中心近くをを水平に右から左(あるいは左から右)に、垂直方向に動かしたい場合は、画像の右(あるいは左)端に近い部分を垂直に上から下(あるいは下から上)にマウスをドラッグしてください。これで自分の思ったとおりに動かせます。
 なお、QTVRの操作はダウンロードが終了してから行って下さい。

QTVRを見るには・・?

QuickTimeダウンロード

 QTVRを見るには、お手持ちのコンピューターにQuickTimeと呼ばれる、アップルコンピューター社が提供しているソフトウエア群が組み込まれている必要があります(QuickTimeは、Mac OS8.6/9/10、Windows 98/Me/2000/XPの各プラットフォーム上で利用可能です)。現在のQuickTimeの最新バージョンは6.5です。もし、QuickTimeがお手持ちのコンピューターに組み込まれていない場合、上のボタンをクリックしてQuickTime をダウンロードしてください。

 もしご自分のコンピュータのハードディスクにダウンロードしておいて、後からオフラインでQTVRを見たい場合は、ブラウザ中に表示された画像上をマウス右ボタンでクリックして出てくるポップアップメニューから'Save Movie...'を選択します。こうして自分のローカルディスクに保存されたQTVRファイル(xxx.mov)は、上記ソフトウエア中に含まれる'Movie Player'、あるいは、'QTVRPlayer'で再生することができます。

”現実の博物館”(神流町恐竜センター)の方にもぜひ足をお運びください!
 
 QTVRは、確かに平面的な写真に比べてより多くの有益な情報を我々に与えてくれますが、QTVR化できるものはいろいろな理由でかなり限られてしまいます。例えば、サイカニアの頭骨のような大きな物体、あるいは格闘化石のような標本全体などはターンテーブルに載せることができません。また、頸骨(けいこつ)のような長細い化石もQTVRにはあまり適当とは言えません。

 このバーチャル博物館の展示物は、あなたをコンピューターの前に釘付けにするためのものではありません。QTVRはやはり本物にはかないません。この博物館は現実に中里に展示されているコレクションの価値や我々の活動をより深く理解していただくためのものなのです。まだ、神流町にいらっしゃったことがない方は、ぜひ一度神流町恐竜センターにおいでください。そして、サイカニアや格闘化石など、もっと多くの本物の展示物をご覧になってください。

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ご意見、お問い合わせはdino-master@town.kanna.gunma.jpまで

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Last Update: May. 28, 2007