[恐竜王国中里]
恐竜化石組み立て
3.化石を支柱に取り付ける



 いよいよ実際の組み立て作業です。鉄骨で支柱を作り、それに化石を一つずつ取り付けていきます。もろい化石と、頑丈な鉄骨を同時に扱うので、化石に傷を付けないように細心の注意が必要です。
 完成に向けて、まっしぐらに作業が進むことは難しく、前のページで述べたように、ポーズや化石の位置の見直しを行いながら、作業は進んでいきます。

◆支柱とツメで支える

 組み立て手順の説明に入る前に、化石を支えている部品の基本構成を解説しましょう。化石の支えは大きく次の3つに分かれます。

    [写真:主支柱、副支柱、ツメ]
    ツメと副支柱で化石を支える。副支柱は頑丈な主支柱に取り付ける
  • セクション単位の「主支柱
    1で分けた頭や尾などのセクションごとの鉄骨。

  • 主支柱に留める「副支柱
    化石の表面に沿わせる鉄骨。

  • 化石を留める「ツメ
    副支柱に取り付けて化石を押さえる細長い鉄板。
 こうした、階層構造になっているのは、作業のしやすさを考えてのことです。主支柱は、全体を支えるための強度が必要です。しかし、頑丈な鉄骨は、その分、加工が難しくなります。そこで化石の表面に沿わせるものは副支柱として分けました。脊椎(せきつい)や骨盤などの複雑な部分は、副支柱が2段階になっているところもあります。
 支柱は、化石と鉄骨自体の重さを支える強度が必要ですが、目立ってもいけません。なるべく内側を通して、目立たないようにします。
 「支柱はなるべくシンプルに通します。右や左にあまりクネクネさせると化石よりも鉄骨の方が浮き上がって見えてしまいます。あくまで主役は化石ですからね。目立たせないように支柱を沿わせないと」
− 組み立てスタッフ 

 こうしたことに注意して、次のようなステップで化石を組み立てていきます。

  1. ゲージを作る
  2. 支柱を作る
  3. ツメを作り、化石を取り付ける

      (以下は次ページ)
  4. 全体をつなげる
  5. いったんバラして支柱を塗装する
  6. 再び組み立てて完成!
 それでは、具体的な手順を説明していきましょう。


ステップ. ゲージを作る

 化石の重さを支えられるほどの強度がある支柱の鉄骨を、いきなり骨の連なりに沿って曲げていくのは難しいものです。そこで、最初に手で曲げられる鉄板で、ガイドとなる「ゲージ」を作ります。あとでゲージに合わせて鉄骨を曲げていきます。二度手間のようですが、ゲージを作った方が効率的です。ゲージには幅8ミリ、厚さ1ミリ程度の細長く切った鉄板を使います。


ステップ. 支柱を作る

[写真:骨に合わせて支柱をくねくね沿わせる]
骨に合わせてくねくね曲げられた副支柱

 続いて、ゲージに合わせて鉄骨を曲げて主支柱や副支柱を作ります。主支柱に使う鉄骨は、幅16〜18ミリ、厚さ9ミリ程度のものです。重量を支える脚の方は丈夫な鉄骨、上の方は軽い鉄骨というように使い分けます。手では曲げられないので「ベンダー」と呼ぶ専用の工具を使います。
 化石の表面に沿わせる副支柱は、場所によって様々な幅、厚さの鉄板を使います。ペンチで曲げる場合も、ベンダーを使って曲げる場合もあります。


ステップ. ツメを作り、化石を取り付ける

 副支柱に化石を留めるためには、ツメを使います。ツメと言っても鉄板です。幅3ミリ程度の細長いもので、ペンチで曲げます。副支柱に留める方にはネジ止め用の穴を開けます。
 副支柱の1カ所から左右に別々のツメを出して、化石を囲むようにします。ツメは化石の凹凸に合うように曲げて、ツメ全体が化石に触れるようにします。
 また、重量がかかる部分には副支柱の内側にスポンジを貼って、化石に傷が付かないようにします。ツメにもスポンジを貼ることがあります。化石そのものに穴をあけて、ネジで留めるということはしません。


[写真:尾骨の裏] [写真:ひっくり返した頭蓋骨]
裏側にはしっかり支柱が通っているサイカニアの尾骨

何本ものツメと支柱で留められているサイカニアの頭蓋骨の裏側


[写真:右中足骨、趾骨(しこつ)の表] [写真:同裏(支柱が見えている)]
目立たないようにツメで留められているサイカニアの右中足骨、趾骨(しこつ)。骨が欠けているところは支柱をそのまま見せる
ひっくり返して裏側を見ると、ちゃんとツメで骨が支えられていることがわかる


「4.支柱を組み立てて完成」


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Last Update: May. 28, 2007