[恐竜王国中里]
恐竜化石組み立て
〜 化石に生命を与える 〜



 恐竜化石を単にテーブルの上にずらっと並べただけでは、たとえ正しい位置に置いてあったとしても、イキイキと動き回っていた時の姿を想像するのは難しいものです。立体的に組み立てられて、初めてその息吹が伝わってきます。
 モンゴルから借りた恐竜化石は、バルスボルド博士の責任監修の元、円尾博美氏を中心とするスタッフにより組み立てられました。それは悠久の時を越えて、化石に命を吹き込む作業でした。

◆恐竜化石の産出状態

[写真:イグアノドンの骨が発掘された状態]
イグアノドンの骨が発掘された状態。頭から肩までは見つかったが、そこから下は発見できなかった

 恐竜化石は中生代の地層に含まれています。その古い地層が地殻変動や侵食の結果、地表に現れた時、私たちは初めて恐竜化石に触れることができます。ところが、

  • 化石が生前の状態そのままにつながって出てくるのはごくまれである。
  • 多くの場合は海や川の底に堆積するので、水に流されてバラバラになっている。
  • 肉食動物に食われたため、バラバラになっているものもある。
 このため1カ所から見つかった化石には欠けている部分がいくつもあり、その恐竜の全体像を復元するのは難しいことが多いのです。そこで、1匹の恐竜を復元するためには、あちらこちらで見つかった同じ種類の恐竜の骨を集めなくてはなりません。
 ジグソーパズルはもう一箱あれば、全ピースが揃いますが、恐竜化石の場合は、複数匹の化石を集めても足りない部分が残ることもあります。そのような場合は、欠けている骨を想像して作ります。多くの博物館、展示会では、本物の化石と模造品を組み合わせて展示しています。
 幸いモンゴルの恐竜化石は非常によい状態で見つかるものが多く、一匹の化石で全体像を復元できます。これは水に流されるよりも、砂の中に埋もれることが多かったからです。今回の神流町恐竜センターの展示はこの特徴を生かし、模造品は使わずに組み立てました


◆恐竜化石が組み上がるまで

[写真:サイカニア組み立て]
サイカニアの支柱に骨を取り付けていく
 モンゴルから届いた化石は、円尾氏を中心とする組み立てスタッフにより、次のような手順で組み立てられました。支柱作りから行う組み立て作業は日本では例をみないものでした。

  1. 化石の位置を確かめる
    テーブルの上に化石を並べて、骨の位置などを確認します。

  2. ポーズを決める
    どのようなポーズ(姿勢)で組み立てるのか、バルスボルド博士とスタッフでディスカッションします。

  3. 化石を支柱に取り付ける
    化石を支える支柱を作り、化石を留めていきます。実際には、組み立て作業とポーズ決定は平行して行われます。

  4. 支柱を組み立てて完成
    支柱同士をつないで、できあがり。再組み立て用の資料も残します。

 なお、群馬県立自然史博物館でカマラサウルス、マメンキサウルス、ブラキオサウルスといった大型草食恐竜を組み立てた時のエピソードが、同館のニューズレター「デメテール」第3号に載っています。高所作業車やフォークリフトが登場したりと、モンゴル恐竜化石特別展とはまた違った組み立て作業でした。そちらもぜひご覧になって下さい。


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Last Update: May. 28, 2007