- 属・種名:モノニクス・オレクラヌス Mononykus olecranus
- 属名の意味:一本指
- 分類:獣脚亜目 (科は未確定)
- 時代:白亜紀後期
- 産地:モンゴル南西 ブキン・ツァフ
- 全長:0.7m
モンゴルからは不思議な化石が発掘されるので目が離せません。なかでも、モノニクスは本当に不思議な恐竜です。この恐竜には三つの謎があるのです。
第一の謎は指です。モノニクスという名前は一本指のような爪からつけられました。前脚が小さく退化し、その先にたった一本だけ不釣り合いなほど頑丈な太いかぎ爪がついているのです。どうして、一本指なのでしょうか。他の指はどうして無くなってしまったのでしょうか。
また、指骨(指の骨)、尺骨(手首から肘の骨)、上腕骨(二の腕の骨)の長さはほぼ同じです。ここには、強力な筋肉が付着していたらしく、単なる退化した器官ではなさそうです。
アメリカの学者で恐竜アーティストのG・ポールは、モノニクスがこの前脚で、穴を掘っていたと解釈しています。たしかに、驚くほど発達した筋肉を持つところなどは、モグラ類に似ていますが、細長い均整のとれた下半身や首を持っているので、モグラ類のような生活はできそうにもありません。
第二の謎は、現在のすべての飛べる鳥にあって、始祖鳥にはない、「竜骨突起」があることのです。「竜骨突起」は飛行のための筋肉の付着点になる重要な軟骨です。現在の鳥よりはずっと小さいのですが、モノニクスもこの「竜骨突起」があります。バルスボルド博士は、この竜骨突起は、特異な前脚を使った特別の機能をサポートする為に独自の進化を遂げたもの(収斂進化の産物)かもしれない、と言っています。
第三の謎は、ほかの獣脚類とは違う後ろを向いた恥骨です。歯や長い尾などは、肉食の獣脚類の特徴を示しています。しかし、恥骨は完全に後ろを向いています(残念ながら、この化石では分からないのですが、アメリカ自然史博物館の化石でははっきりと分かります)。
こんなに謎だらけのモノニクスはどんな恐竜だったのでしょうか。「竜骨突起」の存在やほっそりした足の形から、モノニクスは、獣脚類が鳥へ進化したという説の証拠となるような生物ではないかという古生物学者もいます。また、ダチョウのように飛行能力を失った種だと考えている研究者もいます。この疑問を解くには、もっと多くの化石が発掘されるのを待たなくてはなりません。
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